肛門から管を入れないカプセル型で腸の内視鏡検査を受ける
従来では腸の内視鏡検査で用いる機器としては、先端にカメラが搭載されたチューブを肛門から挿入するタイプが主でした。
肛門から挿入するため、恥ずかしいと抵抗感を覚える方も多く、精神的な負担になる方もいたようです。
しかし、最近ではチューブを一切使用しないカプセル型の内視鏡が登場し、広まりつつあるのをご存知でしょうか。
今回はカプセル型を用いた内視鏡検査ついてお話ししていきます。
「カプセル内視鏡」は、ゴクリと飲むことで身体の内部を映し出す
カプセルの中にカメラが入った機器は、「カプセル内視鏡」とも呼ばれています。
大きさは111mm×31mm程度となっており、やや大きめのサプリメント剤といったイメージになっているため、通常の錠剤が服用できる方であれば問題なく使用できるでしょう。
水と一緒にゴクリと飲み込むだけですから、身体への負担はほとんどありません。
ただしカプセル内視鏡の場合、全ての内視鏡検査の代わりになるわけではないので注意が必要です。
現在の日本では小腸と大腸の検査のみに用いられており、その他の臓器、例えば胃や食道には推奨されていません。
身体の内部がレコーダーに記憶される
カプセル内視鏡の場合、ゴクリと飲み込むことになりますから、リアルタイムで体内を見ることはできません。
カプセルのカメラから外部に画像データを飛ばし、腹部に取り付けたレコーダーに記憶されます。
レコーダーはショルダーバッグに入れられるタイプも多く、そのまま外出も可能です。
レコーダーに記憶された画像をもとに、医師が確認することになります。リアルタイムではなく管も使用しないため、他の内視鏡検査のように組織検査や治療はできないといったデメリットもあるでしょう。
ただし、おおよそ8時間程度、カプセルの動きと共に腸の働きをじっくりと観察できるメリットがあり、精密検査で用いられることも多いようです。
気になる検査の後のカプセルですが、下剤を使用することはなく、通常通り排便することで体外に排出します。